【沖縄】返済不要で使える助成金とは?雇用関係で利用できる助成金4選を解説

国・地方自治体が企業や個人に対して行う支援制度には、支援金や助成金、補助金などがありますが、それぞれ内容は異なります。

支援金は返済が必要あったり、使用目的が決まっていたりする一方、助成金・補助金は原則返済義務がなく、返済が不要です。

助成金・補助金はどちらも返済義務がない点は同じですが、地方自治体によって要件が異なり種類も数多くあります。

本記事では、雇用に関して沖縄で使える、原則的に返済不要の助成金・補助金を紹介します。
雇用関連での助成金・補助金を探している方は、ぜひご覧ください。

助成金は原則的に返済不要で使える!

助成金

助成金とは、事業所と従業員が負担している雇用保険料の一部から、拠出されているものです。

国税・地方税が原資のため、受給要件に適合していれば基本的に受給できます。使用目的に制限はなく、資金繰りとしての活用も可能です。

また、補助金も助成金と同様に返済が原則的に不要です。ただし、補助金は支給要件を満たしていても採用枠や予算が限られているため、受給できないケースがあります。

助成金は公募期間が長く設けられ、一定の要件を満たせば受給できるため難度が低めです。
それに対して、補助金は公募期間が短く、採用枠に限りがあるために難度が高めです。

【沖縄】助成金を利用する4つのメリット

助成金のメリット

助成金を利用する4つのメリットを紹介します。

人材雇用を活性化できる

沖縄県の雇用情勢は全国と比較して失業率が高く、特に若年者の失業率が問題になっていますが、問題解決のきっかけとなるのが助成金の活用です。

助成金には、以下のようにさまざまな種類があります。
・高齢者や母子家庭などの就職困難者の雇用機会増大を図るもの
・若年者の正社員雇用定着を推進するもの
・労働者に対して、専門的な知識や技能習得に向けた職業能力開発を促進するもの

これらの助成金の活用は企業にとって、人員不足の解消や労働者の教育・研修になるほか、優秀な人材育成と労働者のモチベーション向上にもつながる可能性があります。

人事労務環境を整備できる

助成金の申請には、出勤簿や賃金台帳などの書類作成・管理が必要となり、要件によっては就業規則の作成・変更が必須です。

また、残業代が未払いとなっていたり、最低賃金を下回る金額で雇用していたりと、法令順守がされていない場合は助成金の受給ができません。

したがって、助成金受給のためには、労務環境を整える必要があるといえるでしょう。労務環境の整備によって労働者に働きやすい環境を提供することは、トラブルを防止するうえでも需要です。

企業の社会的信用性が上がる

冒頭でも触れたとおり、助成金は国や地方自治体が企業などを支援するために給付するものです。主に、雇用に関連するものは厚生労働省が定めていて、受給要件を満たす場合に支給されます。

助成金受給のためには、与信審査への通過が必要なケースもあります。助成金が受給可能ということは、国や地方自治体などの公的機関が定める基準をクリアしたことを意味します。

それによって、企業の社会的信用性が上がり、金融機関の融資審査が受けやすくなる効果もあります。各助成金の受給要件に応じて労務環境の整備に取り組めば、従業員からの信頼度向上も期待できるでしょう。

雑収入として計上できる

助成金は返済不要で本業の売上以外の収入であり、会計処理で「雑収入」として計上できるため、直接利益となります。

受け取った助成金を教育訓練や設備投資に回したり、融資返済に充てたり、職員へのボーナスに使ったりと、どのように使用するかは企業の自由です。
法人税の課税対象にはなりますが、消費税の対象にはならない点もメリットといえるでしょう。

【雇用維持・新規雇用】沖縄で利用できる助成金4選

沖縄で利用できる助成金4選

沖縄で利用できる助成金紹介します。

雇用維持に関する助成金

まずは雇用維持に関する助成金から紹介します。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、事業活動の縮小をせざるを得なくなった場合に利用できます。労働者の雇用維持を図るために休業に関する労使協定に基づき、休業を実施する事業主に対し、休業手当の一部を助成するものです。

また、出向によって雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となります。この助成金は、もともとあった雇用調整助成金の特例措置という位置付けにあり通常の雇用調整助成金とは支給要件等の詳細が異なります。

さらに、特例措置の詳細は申請対象期間や地域によっても異なるため、申請を検討する際には注意してください。

沖縄県雇用継続助成金(雇用調整助成金等の上乗せ助成)

沖縄県雇用継続助成金は、雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)の上乗せ助成という位置付けにあります。

国が実施する雇用調整助成金等とは別制度の、県が実施する助成金の1つです。支給の主旨はおおむね雇用調整助成金と一致していて、申請の要件には、雇用調整助成金の支給決定を受けた事業主であることが求められています。

ただし、雇用調整助成金の支給決定を受けた事業主であっても、雇用調整助成金の支給率が10分の10の場合は上乗せ助成の対象になりません。

雇用調整助成金は、企業規模や解雇の有無、特例の適用などにより助成率が3分の2から10分の10まで変動します。

10分の10、つまり助成率100%の事業所にはさらなる支給を行わず、助成率が100%に満たない事業所に対し、国が実施する雇用調整助成金の不足分として県が補助するものです。

国が実施する雇用調整助成金と合わせて、100%の休業手当補助を図るために行われています。

新規雇用に関する助成金

続いて新規雇用に関する助成金を紹介します。

地域雇用開発助成金(沖縄若年者雇用促進コース)

地域雇用開発助成金(沖縄若年者雇用促進コース)は、沖縄県における雇用失業情勢の改善として、若年者雇用を促進するために創設された制度です。

県内事業所の設置・整備に伴い、県内に居住する35歳未満の若年求職者を3人以上雇用した事業主に対し、賃金に相当する額の一部を助成します。

制度創設の主旨から、労働者の定着率が低いなど、労働者の雇用環境の改善に貢献していると認められない場合は、支給の対象となりません。

支給要件が厳格な助成金の1つであり、事前に計画書の提出が必要となるなど、受給に至るまでに長期間の申請管理が必要になります。申請を検討する際は、事業所の設置等までに充分な期間的余裕があるタイミングで、計画書の提出を完了するのが望ましいでしょう。

正社員雇用拡大助成金

正社員雇用拡大助成金は、沖縄県内の若年労働者の正規雇用拡大を目的として創設された、県が実施する助成金の1つです。

若年者を正社員として雇用し、定着に向けた取り組みを実施した事業主に対し、一定額を支給します。

対象労働者は35歳未満で、過去6カ月以内に正社員として雇用されていない者です。対象労働者を正社員として新規雇用し、定着につながる取り組みを新規採用から3カ月間で実施する必要があります。

他の助成金と比べると比較的受給しやすいものとされていますが、助成金の支給が予算の範囲内に限定され、年度の後半には受付が終了するなど、不意な状況になることがあります。年度の後半に申請を検討している場合は、受付状況を随時確認しましょう。

沖縄でニーズに合った助成金を選ぶコツは?

助成金を選ぶコツ

沖縄でニーズに合った助成金を選ぶコツを紹介します。

目的に合っているか確認する

助成金を選ぶ際には、支給目的に適合しているか確認しておくことが大切です。例えば、沖縄県雇用継続助成金は「雇用調整助成金」もしくは「緊急雇用安定助成金」の支給を受けた事業主が対象になります。

支給目的や助成内容について、事前にしっかりと把握しておきましょう。

申請期限に間に合うか確認する

助成金の申請期間は、補助金と比較して長い傾向にはありますが、事前に申請期間を確認することが大切です。

助成金の種類によっては法定帳簿などが求められるため、申請するタイミングから逆算したうえで、申請スケジュールを立てる必要があります。

審査の基準を把握します。

補助金の募集要領には、助成金を支給する目的が記載されています。

例えば、正社員雇用拡大助成金は、沖縄県内の若年者労働者の正規雇用拡大を目的としたのです。助成金となります。

審査のポイントを押さえるためには、チェックリストを作成して1つずつ確認するとよいでしょう。

社労士へ相談

助成金申請が難しい場合や、ニーズに合った助成金選びが難しい場合は社労士への相談がおすすめです。

社労士は、助成金申請代行の独占業務資格を有しているため、安心して依頼ができるでしょう。社労士へ依頼すれば、最新の助成金にもスムーズに対応してくれるなどのメリットもあります。

まとめ

助成金は、原則的に返済不要で使用目的に制限がありません。助成金を活用して、人材雇用の活性化や労務環境の整備を行い、若年者の雇用の安定を図りましょう。

ただし、助成金は取り扱っている地方自治体によって、要件や対象、申請期間などが異なります。そのため、助成金の申請を検討の際は、事前に詳細内容をしっかりと確認しましょう。

申請方法が難しい、どの助成金を選べば良いか悩むという場合には、ぜひ社労士への相談もご検討ください。