65歳以上も雇用保険は適用される?
65歳以上の従業員も雇用保険の適用対象となったことや、複数の事業所に勤務することで要件を満たすと雇用保険適用が可能に…
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給与計算は社労士の独占業務ではないものの、給与計算には社労士が精通する様々な法律が関わっています。そのため、専門知識を有している社労士に依頼すれば安心感を得られるでしょう。
社労士には給与計算以外にも、社会保険や労働保険関係の手続き業務も依頼できます。
この記事では、アウトソーシングできる給与計算業務、社労士に依頼する5つのメリット、料金相場、依頼する前に知っておきたい注意点を挙げています。
饒平名毅(社会保険労務士)
給与計算業務に関わって20年になりました。お客様に喜んでもらえる仕事をするために迅速な処理を心がけています。
委託人数に限らず、給与計算業務のアウトソーシングは可能です。今回は、そのなかでも主なものを3つご紹介します。
毎月の給与計算業務はアウトソーシングが可能です。
給与に関しては、残業代や雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料、所得税等の細かな計算が必要です。さらに、月給・日給・時給と雇用形態が分かれていれば、給与計算が煩雑になります。そのため、毎月の全従業員の給与計算には、相当な時間と手間がかかるでしょう。
給与計算を社労士に外注化すれば、毎月かかっていた時間と手間が削減でき、その分、他の業務へと力を入れられます。その他、随時改定や定時決定といった給与計算に付随する社会保険関係の手続きも、社労士であれば漏れがなく正確に行うことが可能です。
また「Web給与明細サービス」に対応した社労士事務所なら、給与明細の電子化やメール配信にも対応してもらえるでしょう。電子化した給与明細の配布を自動化すれば、人件費や消耗品費の削減にもつながります。
夏期・冬期賞与等、賞与に関する計算もアウトソーシングが可能です。賞与の計算では、雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料、所得税等の細かな計算が求められます。
社会保険加入者については、賞与支払届を作成して年金事務所へ提出が必要ですが、社労士に依頼すればそういった手続きも漏れもなく行えます。
事業主は、特別徴収義務者として従業員から個人住民税を特別徴収しなければなりません。
年末調整後には、給与支払報告を提出した各自治体より5月31日までに「特別徴収税額決定通知書」が送られてきます。
従業員それぞれに税額が異なり、毎月の給与から天引きの準備をするのは時間と手間がかかります。しかし、社労士を通せば、特別徴収税額決定通知書を提出するだけで済むため、情報漏洩の心配もなく安心して依頼できるでしょう。
担当者の退職、頻繁に行われる法改正等でお困りではないですか?社労士に計算業務をアウトソーシングするメリットをご紹介しますので、社労士への依頼を検討する際の参考にしてください。
自社で給与計算を行う際には、担当者の人件費や使用するPCはもちろん、給与ソフトの維持・管理コスト等がかかり、年間にするとかなりの額になります。
その点、社労士に依頼すれば給与ソフトは不要であり、担当者は給与計算だけではなく他の作業を行うことが可能です。これまで給与計算業務での残業があった場合は、社労士への依頼で残業が削減できる点も企業にとっては大きいのではないでしょうか。
社会保険制度や労働関連法規は、頻繁に改正が行われています。そのため、給与計算担当者は常に法改正を意識しながら情報収集を行う必要がありますが、どのように情報収集を行えば良いのか、わからない方もいるでしょう。また、情報を収集できても内容が理解できなければ、業務へ反映できません。
常に知識のアップデートが必要なため、給与計算担当者は気が休まることがないのが現状です。その点、社労士に依頼すると法改正に対応してもらえます。また、社労士から制度の内容を分かりやすく教えてもらうことも可能でしょう。
給与計算を自社で行う場合、担当者から給与に関する情報が漏洩するおそれがあります。その点、社労士に依頼すると情報漏洩リスクを低減でき、不要なトラブルも回避できます。
給与計算業務の外注化により、従業員が利益貢献度の高いメイン業務に注力できます。
自社で給与計算を行う場合はメイン業務に取り掛かりたくとも、勤怠のチェックを行ったり、昇給や手当変更等の登録作業に追われたりして、メイン業務が後回しになりがちです。
社労士に依頼すれば、勤怠データや昇給、各種変更データを送付するだけで改定作業や登録作業を行ってもらえるので、空いた時間をメイン業務に充てられます。
社労士は給与計算だけではなく、社会保険・労働保険の手続きも行えます。入社や退社の手続き等も社労士に依頼すれば、スムーズに行えるでしょう。
社会保険・労働保険の手続きは社労士の独占業務となっているため、税理士への依頼はできません。その他に、就業規則の作成や助成金申請、労働トラブルの相談等、労務に関する業務が社労士業務にあたります。
社労士への業務依頼には多くのメリットがありますが、デメリットも考えられます。
給与計算を外注化した場合には、自社の人材にノウハウが蓄積されにくくなり、給与・社会保険・税制等の知識を保有する人がいなくなってしまうことも考えられます。
一方で、給与計算の外注化には、自社人材の育成や引継ぎの手間がかからないという利点もあります。
まずは自社のニーズに合わせて、外注化する業務の範囲を決めておくと良いでしょう。そして、社労士を選ぶ際は、長期的なパートナーとして信頼できる事務所の選定が大切です。
アウトソーシングする業務範囲が不明確だと、社労士とのやり取りに手間がかかったり、利用しているシステムが連携できなかったりして、かえって作業負担が増すケースもあります。
この点は、業務範囲の設定や業務フロー等を導入の段階で定めておけば、大きなデメリットにはならないでしょう。委託の準備を進める段階で、社労士事務所と密なコミュニケーションを取ることが大切です。
給与計算業務の外注化を適切に活用すれば、担当者コスト削減等の自社におけるメリットを最大化できるでしょう。
給与計算業務のみを依頼する場合と、その他の業務も含めて依頼する場合とでは、料金の相場が変わります。 ここでは、一般的な料金相場をご紹介します。社労士事務所へ給与計算のみを依頼する場合、料金の相場は従業員数で変わるのが一般的です。
社員数 | 報酬相場 |
---|---|
1名~4名 | 2万円~2万5,000円 |
5名~10名 | 2万5,000円~3万5,000円 |
11名~20名 | 3万5,000円~4万5,000円 |
21名~30名 | 4万5,000円~6万円 |
30名~50名 | 6万円~ |
社労士事務所の中には、従業員1名当たりに対する単価を設定しているところもあります。そのため、依頼する事務所を選定する際には、どういった料金設定になっているかの確認もしましょう。
ここで紹介したのはあくまでも一般的な相場であり、料金に見合ったサービスかどうかを検討することが必要です。給与計算だけでなく、就業規則の作成や社会保険料の変更手続き等を含めて依頼するとなると、その費用も加わります。
実際の依頼時には、複数の社労士事務所から見積もりを取り、サービス内容を含めて検討することをおすすめします。
実際に依頼する前には「何を確認しておけば良いか分からない」「どの社労士に依頼すれば良いのか比較ができない」等の不安を持っている方もいるかもしれません。社労士へ給与計算業務を依頼する前には、以下の点に注意しましょう。
給与計算業務では、社会保険料の改定や住民税、年末調整、賞与計算等、1年を通して様々な業務に対応しなければいけません。そのため、毎月の報酬に係る給与計算のサービス内容を、業務範囲表等で事前に確認することが必要です。
後々のトラブルを回避するためにも、追加で必要なオプションも事前に確認しておきましょう。
給与計算の際には、個人情報を預けることになります。そのため、どのような対策を講じているか、事前に質問・確認が必要です。
例えば、情報漏洩のリスクを排除できる体制が整っているか、プライバシーマークやISMS認証等のセキュリティに関する認証を取得しているかを確認すると良いでしょう。
給与計算は特別な資格がなくても行えるため、労務管理の専門家ではないケースがあります。
給与計算に付随する、社会保険・労働保険・法令に基づいた正確性を求めるのであれば、社労士の専門分野で占める割合が大きく、給与計算と保険の手続きが連動すると円滑に計算業務を進められるでしょう。
ただし、手続きの内容によっては別途報酬がかかることもあるため、事前に確認が必要です。
給与計算を依頼するうえで専門性があるのは社労士と税理士になり、それぞれの独占業務があります。
社労士の独占業務は社会保険・労働保険の手続きや提出代行となり、労務関係の法律を得意とするエキスパートです。一方、税理士の独占業務は税務に関することとなるため、経理のエキスパートといえます。
社労士は、法令を基に正確な給与計算を進められるのが強みですが、依頼主からの正確な情報がなければ対応できないこともあるため、情報の共有が常に必要です。
給与計算には細かい注意点や様々な法律が関わるうえに、社会保険・労働保険の法律は改正が頻繁に行われています。
給与計算は毎月発生する業務であり、専門性が必要な複雑な計算もあるため、自社でこなすには長期間の人材育成が必要です。
こういったコスト面や担当者の負担等を考えると、法律に精通した専門家へのアウトソーシングも選択肢になるでしょう。