65歳以上も雇用保険は適用される?
65歳以上の従業員も雇用保険の適用対象となったことや、複数の事業所に勤務することで要件を満たすと雇用保険適用が可能に…
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各業界とも同業他社との競争は激しくなる一方で、顧客サービスに手抜きができず、事業運営にますますコストのかかる時代となっています。
このような時期こそ、国が支給する助成金を企業発展のカンフル剤とし活用しましょう。
企業経営でポイントになるのは「ヒト」「モノ」「カネ」です。厚生労働省からは、そのなかでも、最も重要な「ヒト」に関する助成金が数多く出されています。それらは、業種を問わず活用できるものがほとんどです。
しかし「内容がよくわからない」「手続きが面倒」などの理由により、多くの事業主が助成金を活用できていません。
たしかに、助成金申請には「労働保険への加入」や「出勤簿」「賃金台帳」などの法定帳簿の提出が必要になることがほとんどです。申請書も申請年度により様式が異なったり、専門用語のオンパレードだったり、なかなか理解に苦しみます。
助成金申請の代行は独占業務に規定され労働保険にも精通している社会保険労務士(社労士)へ依頼するほうが近道でしょう。
国や地方公共団体から受給可能な資金の種類には「助成金」と「補助金」があります。助成金は、要件を満たし、決められた様式に沿って申請を行った事業所には原則給付されます。
一方、補助金の多くは事前に金額や採択件数が決まっており、正しく申請したとしても必ず受給できるとは限りません。
厚生労働省の助成金は社労士にしか代理申請ができません。
なぜ、社労士の独占業務なのかというと、助成金が雇用関係や労働環境の改善に対して支給される資金だからです。社労士は社会保険や労務の専門家であるため、助成金申請代行に適任と考えられ独占業務に規定されています。
⇒社労士法第2条では、1号業務と2号業務が独占業務と決められている
⇒1号業務は、労働社会保険に関する申請書や届出書などの作成、提出手続きの代行が該当
⇒2号業務は、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成が該当
*雇用関係助成金の申請は1号業務に当てたる
助成金と補助金の大きな違いは、おもな管轄機関が異なる点です。助成金は厚生労働省が、補助金は経済産業省や他の省庁などが管轄しています。
その他の違いは以下のとおりです。
●一定の要件を満たせば受給できるため難度が低い
●公募期間が長めで通年の申請が可能
●専門家は社労士
●受給数に限りがあるため難度が高い
●公募期間が短く年1回の傾向が強い
●専門家は行政書士や中小企業診断士など
助成金申請は、必ず社労士に依頼しなければいけないものではありません。事業主または事業所の担当の方が、自ら申請を行うことももちろん可能です。
それでもなお、専門家である社会保険労務士に助成金申請を依頼するメリットは何か、ここでは大まかに5つのメリットを挙げます。
助成金の種類は細かいコースまで分けると約60種類以上にも及び、コース名に目を通すだけでも一苦労です。ましてや受給要件や申請期間、一番気になる受給額など、基本的な内容を事業主自らが常にチェックするのは効率的ではありません。
そこで、日頃から助成金の情報に触れている社労士に助成金の選定を任せ、自社に合った助成金をピックアップしてもらいましょう。特に、顧問契約している社労士であれば事業所の状況をより詳しく把握しています。そのため、事業所ごとに適切な助成金を案内できるでしょう。
助成金の種類が多いからといって、自社に合った助成金がたくさんあるわけではありません。実際、申請にまで至る助成金の数は、片手で数える程度でしょう。
申請作業も年に数回と、一般的な事業所の方が通常業務として上達できるような頻度ではありません。助成金申請という不慣れな業務は、事業主または事業所担当者の貴重な時間、そして人件費を浪費させてしまいます。
助成金関連は専門家である社労士に依頼し、自らは自社の本業に専念することが、結果としてコストパフォーマンスに優れているケースも十分に考えられるでしょう。
助成金は常にその内容や種類、受給要件が変更され続けています。しかし、それらは事業所に自動で通知されるものではありません。
このような状況下で仮に自社従業員に助成金を任せた場合、通常業務に加え、常に助成金の情報にアンテナを張り続けられるでしょうか。
また、助成金には申請期限もあります。自社従業員が日々の通常業務に忙殺されてしまい、不慣れな助成金の申請期限を見逃してしまうリスクは大いにあるでしょう。
助成金の申請要件は頻繁にマイナーチェンジしています。創設された助成金が来年も存続しているとは限らず、存続していても内容の変更がないとも限りません。
社労士は常に助成金の情報にアンテナを張っています。場合によっては変更されるかなり前に、その情報を把握していることもあり得るでしょう。
事前に要件の変更を把握していれば、時間に余裕を持って助成金申請の準備ができ、結果として助成金を受給する機会をより多くつくし出すことが可能です。
残念ながら、助成金申請の成功率は、100%ではありません。どんなに事前準備をしていても、不支給となるケースはどうしても発生してしまいます。
不支給となる原因の多くは、支給要件の解釈の相違、アクシデントの発生、想定外の事実の発覚などです。
不支給となるケースは少ないので、自社で数回程度申請している事業所に比べ、専門的に取り扱っている社労士のほうがより多くの不支給情報を蓄積しています。
また、社労士は助成金を取り扱う行政窓口に頻繫に申請手続きに出向くため、各申請窓口で不支給ケースの情報や注意点など、多くの鮮度ある情報を得ることも可能です。
このような経験、または日々の申請作業から得た鮮度のある不支給ケースの情報は、これから取りかかる助成金申請で大きな財産となります。事前に不支給のケースを多く把握していれば、同様の不支給を招くことはないでしょう。
最近の社会情勢や雇用情勢を踏まえて、従業員の定着・雇用の安定を目指すなら、受給要件がさほど難しくない以下の助成金が狙い目です。
通常時の雇用調整助成金は、経営上の理由により、止むを得ず事業活動の縮小に至った事業主に対して、雇用維持を図るために要した休業手当を助成する制度です。
昨今では、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動縮小の必要に迫られた際に、申請できる特例措置があります。これにより、従業員の雇用や生活維持を図るために、従業員へ支払った休業手当等の一部が助成されます。
特定の求職者を雇用した場合に事業主に支給される雇用関係助成金の一部です。
厚生労働省が指定する、就職活動が困難と思われる「障害者」「高年齢者」「ひとり親家庭の母・父」などを一定の条件下で雇用した場合に1~3年間助成金を受給できます。
このような雇用されることが困難とみなされる方の多くは、安定した職と生活を求めています。一方で事業主にとっては、労働人口の減少や若年者の離職率の高さなどから、人材の質と量の両方を確保するのは非常に厳しいのが現状です。
この特定求職者雇用開発助成金を活用すれば、労働者は職の安定、事業主は人材の確保につながります。
対象労働者の要件により受給額年間40万~240万、助成対象期間1年~3年(中小企業)と、長期間受給できる助成金です。
雇用形態には、派遣労働者や短時間労働者などの非正規雇用と呼ばれるものがあります。キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主を対象とする助成制度です。
労働者能力・意欲を高めることにより事業の生産性を向上させ、優れた人材を確保するには活用しやすい制度でしょう。
両立支援等助成金とは、女性が活躍しやすくなるための政策に取り組んだり、家庭と仕事の両方を支援したりする事業主をサポートする制度です。優秀な人材を確保・定着させるために、活用しやすいでしょう。
家庭と仕事の両立支援には「男性の育児休業取得を促進」「仕事と介護の両立支援」「仕事と育児の両立支援」「育児・介護等の退職者の再雇用」があります。
また、女性の活躍促進支援には「女性の活躍を促進」「事業所内に保育施設を設置」が挙げられます。助成金内容が豊富で取り組みやすく、いろいろな場面や働き方、家庭環境に応じて助成金が受給できる制度です。
助成金申請を社労士に依頼する流れを紹介します。
事前に無料の助成金診断を活用してどのような助成金が受給可能か認識し、メールや電話で気になる助成金について確認・問い合わせをします。
業務委託契約書で業務の内容、報酬額の支払い時期、報酬額について、納得いくまで打ち合わせをしましょう。業務請負契約書の締結後、助成金の申請に向けて手続きを進めます。
各助成金によって申請書類が異なるので、社労士事務所の担当者が求める書類・資料を提出してください。助成金は現地調査が必ずあるため、申請書類・資料の原本は5年間保存の義務があります。
提出した資料を基に社労士が申請書を作成します。助成金によっては、紹介日、採用日、雇用保険番号など採用に至った内容、時系列も需要なポイントです。
申請書類作成後は、事業主が内容を確認し、間違いなしと承認したら事業主印を押してください。押印後、提出代理として社労士が提出します。
社労士事務所へ助成金申請を依頼する場合、助成金申請に強い社労士を選ぶために以下のポイントを確認しましょう。
助成金の種類はたくさんあり、要件も若干異なります。そのため、種類や要件の説明が的確か、見極めることが重要です。
また、助成金は雇用保険とも深く関係します。労働保険等の内容に詳しく、適格な説明を行っているかも確認してください。
実績のある社労士は各助成金の入金時期も把握しているので、おおよその時期を説明できる社労士を選ぶのもよいでしょう。
社労士事務所では、助成金申請以外にも人事労務管理コンサルティングといった多様な業務を行っている場合があります。さまざまな業務を行っていれば、実績経験豊富な社労士事務所で、広範囲の業界に関するノウハウを有していることが多いでしょう。
助成金申請は、準備期間も含めて数ヵ月~3年程度の期間を有します。コミュニケーションが取りやすい社労士を見極めましょう。
助成金の申請は社労士の独占業務に含まれます。雇用関係や労働環境に対する助成金は、労働保険や労働環境の改善に強い社労士へ依頼するのが受給への近道です。
社労士は多くの申請を行っており比較的難度の低い助成金等や申請のノウハウが豊富なため、相談する価値は十分にあります。
助成金のイメージをつかむためにも、助成金の受給タイミングや申請の進み方など気軽に相談してみてはいかがでしょうか。