特養入居「要介護3以上」に限定 厚労省が提案

 厚生労働省は9月18日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会で、特別養護老人ホーム(特養)の入居要件について、介護の必要度が高い中重度の要介護者に限定する案を示しました。厚労省が示したのは、特養の入居要件を現行の要介護1以上から症状が重い要介護3~5に限る案で、異論を唱える委員が続出しました。

 特養は要介護認定された65歳以上が入る施設で全国に約7500あり、入所者は約48万人。特養に入所したくてもできない待機者は都市部を中心に約42万人います。そのうち要介護4や5の人が、約6万7000人いるとされています。一方、2011年段階では特養の全入所者の12%が、軽度の要介護者(要介護1か2)で占められていました。

 こうした状況を受け、厚労省は、特養に対して、要介護度や家族の状況などを踏まえ、必要性が高い申込者を優先するよう求めており、新たに入所する人については要介護度が3以上の人に限定すべきとしました。来年の通常国会に介護保険法改正案を提出し、2015年度に実施する方針です。