4月12日に「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」が国会に提出されました。

公的年金制度の健全性及び信頼性の確保を図るため、①厚生年金基金について他の企業年金制度への移行を促進しつつ、特例的な解散制度の導入等を行うとともに、②国民年金について第三号被保険者に関する記録の不整合期間の保険料の納付を可能とする等の所要の措置を講ずる。

改正の内容
1.厚生年金基金制度の見直し(厚生年金保険法等の一部改正)
(1)施行日以後は厚生年金基金の新設は認めない。
(2)施行日から5年間の時限措置として特例解散制度を見直し、分割納付における事業所間の連帯債務を外すなど、基金の解散時に国に納付する最低責任準備金の納付期限・納付方法の特例を設ける。
(3)施行日から5年後以降は、代行資産保全の観点から設定した基準を満たさない基金については、
厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて、解散命令を発動できる。
(4)上乗せ給付の受給権保全を支援するため、厚生年金基金から他の企業年金等への積立金の移行について特例を設ける。
2.第3号被保険者の記録不整合問題(※)への対応(国民年金法の一部改正)
保険料納付実績に応じて給付するという社会保険の原則に沿って対応するため、以下の措置を講ずる。
(1)年金受給者の生活の安定にも一定の配慮を行った上で、不整合記録に基づく年金額を正しい年金額に訂正
(2)不整合期間を「カラ期間」(年金額には反映しないが受給資格期間としてカウント)扱いとして、無年金となることを防止
(3)過去10年間の不整合期間の特例追納を可能とし、年金額を回復する機会を提供(3年間の時限措置)
3.その他(国民年金法等の一部を改正する法律等の一部改正)
障害・遺族年金の支給要件の特例措置及び国民年金保険料の若年者納付猶予制度の期限を10年間延長する。

施行日
1は、公布日から1年を超えない範囲で政令で定める日
2は、公布日から1月を超えない範囲で政令で定める日((3)は施行から1年9月以内、(1)は施行から4年9月以内)
3は、公布日


http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/183-21.pdf