マタハラ、派遣社員の半数、正社員は約2割が経験 厚労省調査

 厚生労働省は12日、妊娠や出産をめぐって不利益な扱いや嫌がらせを受ける「マタニティー・ハラスメント(マタハラ)」に関する初の調査結果を発表しました。この調査で、妊娠・出産した派遣社員の48.7%が「マタハラを経験したことがある」と回答したことが分かりました。正社員では21.8%でした。

 調査は厚労省の委託を受けた労働政策研究・研修機構が9~10月にかけて、産業や規模別に選んだ6,500社で働く25~44歳の女性などを対象に実施し、約3,500人から回答がありました。特に雇用が不安定で立場の弱い派遣社員が被害に遭う割合が高く、マタハラを経験したと答えた人のうち、派遣社員の27%が「妊娠を理由とした契約打ち切りや労働者の交代」を経験していることが明らかとなりました。

 マタハラの内容別では、「迷惑」「辞めたら」といった発言を受けた事例が47.3%で最も多く、次いで「雇い止め」が21.3%、「解雇」が20.5%、「賞与の不利益算定」が17.1%、「退職の強要や非正社員への転換を強要」が15.9%という結果が出ています。

 誰からマタハラを受けたかについては、「直接の上司(男性)」が19.1%で最も高く、次いで「役員など(男性)」が15.2%、「直接の上司(女性)」が11.1%、「同僚や部下(女性)」が9.5%でした。

 厚生労働省は今後、法律を改正して、マタハラの相談窓口の設置を企業に義務付けたり、派遣会社だけでなく、派遣労働者を受け入れている企業にも、育休取得を理由にした派遣契約の打ち切りを禁止したりするなどの対策強化を図る方針です。