住民税の特別徴収(新年度)スタートに伴う給与計算の注意点
- お知らせ
1. 住民税切り替えにおける「3つの注意点」
① 6月分と7月以降分の「金額の違い」に注意
住民税の年間税額は、基本的に6月分(第1回目)と、7月〜翌年5月分(第2回目以降)の2段階に分けて通知されます。
- 6月分: 端数調整が入るため、7月以降の月額とは異なる金額になるケースがほとんどです。
- 7月以降分: 原則として同額が続きます。
給与計算システムへ入力する際、「6月分だけ金額が違う」ことを見落とし、全月一律の金額で登録してしまわないよう十分に注意してください。
② 退職者・休職者の「徴収方法の切り替え」
5月〜6月にかけて退職・休職した従業員がいる場合、通知書に記載されている税額をそのまま引いてはいけません。
- 普通徴収への切替: 「特別徴収異動届出書」を各市区町村へ速やかに提出し、特別徴収(給与天引き)を停止する処理が必要です。
- 一括徴収の有無: 退職月や本人の希望に応じて、最後の給与で残額を一括徴収したかどうか、個別の状況を必ず再確認しましょう。
③ 4月〜5月の中途入社者の「特別徴収開始タイミング」
春先に入社した従業員について、前職からの引き継ぎや本人からの希望で特別徴収に切り替える場合、「何月支給の給与から天引きが始まるか」のスケジュール管理が重要です。
自治体からの「特別徴収への切替命令(決定)通知書」が届くタイミングによっては、6月給与に間に合わず7月からのスタートになるケースもあります。
2. 実務で使える「ミスゼロ」チェックリスト
確実な給与計算を行うため、システム確定前に以下の項目を上から順にチェックしていきましょう。
1.通知書の全件回収と対象者確認:全従業員分が揃っているかチェック。
各市区町村から届いた通知書が、在籍している特別徴収対象者の人数分すべて揃っているか確認します。5月以降の退職者が含まれていないかも同時に精査します。
2.給与計算システムへの税額入力:6月分と7月以降分の入力ミスに注意。
通知書に記載された「6月分」の税額と「7月以降」の税額を、システムにそれぞれ正しく入力します。手入力の場合は、桁数間違いや別人の欄への入力を防ぐため、2名以上でのダブルチェックを推奨します。
3.定額減税等の特例処理の確認(該当年の場合):通知書の記載通りに処理されているか。
法改正や特例措置により、通知書側ですでに税額が調整(減税など)されている場合があります。システムへの入力は、あくまで「通知書に記載されている実際の徴収額」をそのまま反映させるのが鉄則です。
4.試算マスタと給与明細の突合:確定前の最終確認。
システム入力後、テスト計算を行い、出力された給与明細上の住民税額が、手元の通知書の「6月分」と完全に一致しているかを全件突合します。
まとめ
6月の住民税切り替えは、毎年のことながら非常に神経を使う実務です。しかし、上記のステップに沿って一つずつ確実にクリアしていけば、決して恐れる必要はありません。万が一、控除ミスが発覚した場合は、速やかに本人へ説明し、翌月での調整や現金精算などのリカバリーを行いましょう。